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001:ロマンチストで行こう! 1/2

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001.ロマンチストで行こう!
001.ロマンチストで行こう!
※このページの内容は2009年5月26日芝公園・AEFA事務所
にて行われたインタビューに基づいています

Profile
谷川 洋(たにかわ・ひろし)
1943年福井県生まれ
東京大学経済学部卒業後、丸紅に入社
鉄鋼・企画部門を振り出しに 業務推進部長などを経て、 ふよう航空サービス役員を経て 2004年AEFA設立
65歳


AEFAアジア教育友好協会
『顔も心も見える支援・交流』を掲げ、これまでにアジア各国に 56校を建設し、支援・運営にあたっている。 今年も新たに22校が誕生予定で、設立実績は78校に上る見込み。
URL:http://www.nippon-aefa.org/

顔も心も見える支援と交流をするのがAEFA流

― お仕事の内容についてお聞かせ下さい。

AEFAの支援/3階建て方式

アジアの経済的に厳しい地域で暮らす子どもたちのために学校を創る 活動をしています。
■校舎の建設
■住民を労働奉仕や事業に組み込んで長期的に運営する
■建設したすべての学校を日本国内の学校とフレンドシップ交流
わたしたち、AEFAの支援はこの3階建て方式です。

世界中で様々な政府機関やNGOが学校建設を行なっていますが、 わたしたちの取り組みは学校をつくることがゴールではありません。 逆にそこからがスタートです。
住民の理解を得ながら建設を進める。出来上がった学校を維持・運営する ための仕組みづくりを現地のパートナーを交え、住民をしっかり巻き込んで 考え、実行する。その後のフォローもしっかり続けます。
特に3つ目のフレンドシップ交流はAEFA独自のもので、 言うなれば、つくった学校と日本の学校とのマッチングです。
顔も心も見える支援と交流をするのがAEFA流です。

― どのようなきっかけで始められたのでしょうか。AEFA設立を絡めてお聞かせ下さい。

私は新卒で入社した総合商社に約36年勤めました。
鉄鋼・企画部門を振り出しに、数多くのプロジェクトビルディングを経験し、 海外在勤も長く経験しました。
ある時、国際支援に携わっている知人に久しぶりに再会して、 酒席で各国における学校づくりの現状を聞きました。
学校がつくりっぱなしで機能していない実例がたくさんある。
維持・運営までを手がけるNGOはないものか。
熱く語る知人の言葉はまるで私の決心を待っているかのようでした。
当時の私は関連会社の役員を務めていて、まだ仕事を続けるという選択肢も ありましたが、「俺がやる!」すぐにそう返事をしてしまったのです。 私は妻を亡くしていますが、すでに独立した子どもたちも 大賛成してくれまして、 「スローダウンせず、高揚感のある第2の人生を送ろう」 そう心に決めて即、行動です。
自宅をオフィス代わりにたった一人でAEFAを立ち上げました。 日本財団の許可、現地に飛んでのパートナー探し、 具体的なパートナーシップ契約など本格的な活動が始まるまでに 1年はかかりました。

― まさにゼロからの出発ですね。
学校づくりにおいて苦労された点や、特に印象に残っている地域やエピソードを教えて下さい。

谷川氏

知らない土地から来たよそ者が、受け入れてもらえるようになるまでに 時間がかかるのは承知の上です。
商社時代、海外駐在経験もありますから、いわゆる外様として現地に入って、 人間関係の構築から始める仕事の進め方はもう体に染みついていましたが、 アジアの貧しい僻地を相手に交渉事を進めるのとは、また違う難しさがありました。
風習や、独自の文化背景のあるところなどは、特に気を遣います。

例えば、これはラオスの山間部のある村の話ですが、貧しすぎて、 まさに「砂に水をまくがごとく」という表現が、ぴたりとあてはまるところがありました。
AEFAとしてはまず、その砂の状態をなんとかしなければならない。 人心を変えることも重要なプロセスです。 校舎づくりを見せて、運営の方法を見せて、こんなやり方があるのかと、 そこで実際にやって見せることで、住民の心は初めて変わります。 それができるのがわたしたちの強みでもあります。

例えば、手を洗う、歯を磨くという当たり前の習慣を教えようにも、 話しただけで一蹴されてしまうような状況の土地もあります。
住民同士は仲がいいのですが、いざ、何かをやる、 地域住民で協力して何かやろうといっても、そもそもその感覚がないし、 想像すら出来ない。そんな環境もざらです。 しかし、そこで活きるのが学校建設です。

AEFAとしては学校建設がツールとなって、住民が技術を覚え、 一緒に仕事をする経験をして、団結や結束を知るための支援も同時に始めます。
信頼関係を築くため、わたしたちはパートナーとともに村に何度となく足を運びますが、 「この人たちはわたしたちを騙すのではないか。われわれは騙されてしまうのでは」と、 思われなくなるまでにはそれなりの時間が必要です。

谷川氏

7割くらい心を開いてくれて、生活を見せてくれたかなと思っても、 残りの3割は思った以上に遠いものです。 誰でも、見られたくない恥ずかしいところはあるものです。 そこを見せくれて、「なんとか協力してくれないか」 「一緒に考えてくれないか」と言ってくれた時は、 本当の意味で心を開いてくれた時ですから、涙が出ますね。

信頼が本物になるまでには、学校が完成してから数年かかります。 例えば、子どもが学校に通うようになって、友達ができて、ともに学び、喜び、 一緒に何かを作ることを楽しむ。 それを家で話す。これが家庭を変えるきっかけになります。

さらに、それは近隣の住民の刺激になります。「俺もやりたい」 「うちの子にも習わせたい」そういう声が上がるようになれば、その村はもう大丈夫。 自立への道を歩み始めることになります。
テープカットでホッとして終りではない。
その先に本当のやりがいがあって、学校づくりがスタートになるということです。

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